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ワイヤー矯正の基本知識

ワイヤー矯正のしくみ

ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使用した従来型の矯正治療です。このページでは、ワイヤー矯正でどうやって歯を動かすのか、ワイヤー矯正の仕組みについて説明します。

私が監修しました
初台 はまだ歯科・矯正歯科
院長濱田 啓一
WIRE

ワイヤー矯正の
基本的なメカニズム

ワイヤーで矯正力を生み出し、
ブラケットで歯を動かす

ブラケットとワイヤー

ワイヤー矯正は「ブラケット」と「ワイヤー」を使っておこなう矯正治療です。(上図参照)
まず、歯にブラケットを取り付けて固定します。次に、取り付けたブラケットのスロット(溝)にワイヤーを通します。すると、ブラケットに通すことで曲がったワイヤーは、元の形に戻ろうとして力を生み出します。その力はブラケットを通じて歯に伝わり、歯は力の方向に移動していきます。(下図)
ワイヤー矯正は、ワイヤーによって矯正力を生み、その力をブラケットを通じて歯に伝えることで、歯の移動を実現しているのです。

ワイヤーが元に戻ろうとするイメージ

矯正補助装置で
多様な動きを実現する

ワイヤーとブラケットでは実現できない動きがあります。たとえば歯を引っ張り出したり、逆に歯を押し込んだり、歯列全体を引っ込めるような動きなど、いろいろあります。
こうした“ワイヤーとブラケットでは実現できない動き”は、ゴムやバネなどの補助装置を使って実現しています。(詳細次章で解説)

月に1度の調整を繰り返し、
歯並びを徐々に改善する

ワイヤー矯正の治療時は、月に1回程度の矯正力調整をおこないます。
歯列の動きに合わせてワイヤーを取り替えたり補助装置を取り替えたりすることで力のかけ具合を調整し、歯並びを徐々に改善していきます。

WIRE

矯正補助装置の
種類と役割

矯正補助装置1
顎間ゴム

矯正用の小さな輪ゴムです。
片方を上顎にかけ、もう片方を下顎にかけて使います。このとき生じる“ゴムが引き合う力”で歯列全体を移動させます。
顎間ゴムは主に“上下歯列の前後関係を改善する”ときに使います。(例えば、上顎全体を後方移動し、下顎全体を前方移動したいとき)
また、歯を挺出したいときにも使うことがあります。

矯正補助装置2
エラスティックチェーン(パワーチェーン)

ゴム素材のチェーンです。
このチェーンを伸ばして複数のブラケットにかけることにより、チェーンの収縮力を利用して歯を移動させます。
エラスティックチェーンは「前歯部を後方移動させたいとき」、「歯の隙間を埋めたいとき」、「埋まっている歯を引っ張り出したいとき」、「捻じれて回転した歯を真っすぐにしたいとき」に使います。

矯正補助装置3
リガチャーワイヤー

ただの細いワイヤーです。
ブラケットの溝に通したワイヤーがブラケットから浮いてしまわないように固定するために使います。
ワイヤーとブラケットをしっかり固定することで、ワイヤーの曲げ力をより正確にブラケットに伝えられるようになり、「回転」「歯体移動」の精度が上がります。

矯正補助装置4
歯科矯正用アンカースクリュー

歯科矯正用アンカースクリューとは、顎の骨に埋め込む「小型のネジ」です。
このネジは、矯正治療では困難な歯の圧下や大臼歯の遠心移動をおこなうための強固な固定源として利用します。
例えば、顎間ゴムのみで上顎歯列を後方移動しようとすると、下顎は反対に前方移動してしまいますが、歯科矯正用アンカースクリューを固定源にすれば下顎は動かさずに上顎だけを動かすことができます。(逆もしかりです。)

矯正補助装置5
オープンコイルスプリング

オープンコイルスプリングとは、歯と歯の間の隙間を広げたいときに使うバネです。例えば重度のガタガタ歯並びで“歯が前後に重なって生えている場合”に、歯列を一列に並べるためのスペースを作るときに使ったりします。

矯正補助装置6
拡大床(かくだいしょう)

拡大床は歯列弓(歯列の弓なり)を拡大するための装置です。全体的に歯列が内側に倒れている歯並びを矯正するときや、前歯の整列スペースを確保するときに使用します。

矯正補助装置7
GISHY GOO!(ギシグー)

GISHY GOO!は、ワイヤーやブラケットが口内の粘膜や歯茎に当たる際の痛みを和らげるための保護用粘土です。
シリンジから1回分を押し出し、指でしっかり練り合わせたら、固まる前に痛みのある部分のブラケットに貼り付け、固まるのを待ちます。

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ワイヤー矯正の
メリットとデメリットは?

ワイヤー矯正には「特殊な症例でも治療がしやすい」というメリットもある半面、マウスピースと比較するとデメリットも多めです。次のページで詳しく解説してきます。

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院長
Dr. 濱田