患者様は左の奥歯の激痛で来院されました。
初診時、奥歯は最近ブリッジで治療されたとのことでしたが、レントゲン上で左下顎第2大臼歯(最後方の歯)に大きな根尖病変を形成し激痛の原因でした。根尖病変は細菌由来の病気ですが細菌数が一定数を越えると激しい炎症症状と激痛を伴います。根管治療が必要な症例です。
同部は樋状根という特殊な根の形態をしていましたが幸い治療が奏功し痛みは快方へと向かいました。
一方、ブリッジを支える手前の歯は元々根が二つある奥歯を半分抜歯して残してあります。症状こそないものの残した歯根は縦に破折しており長期的予後は期待できない状態です。
急性症状が落ち着いたところで私たちがご提案した治療計画は歯根破折している手前の歯は抜歯しインプラント治療。治療が奏功した奥歯はブリッジより負担の少ない単独での被せ物を計画いたしました。
治療後約2年が経過したレントゲン画像です。
激しい痛みがあった左下顎第2大臼歯の根尖病変は消失し、インプラントも経過良好です。
患者様も治療結果に非常に満足されており定期的なメンテナンスに通院いただいております。
根管治療歯は歯質の削除量が多いために過剰な負荷をかけると歯根破折などのトラブルの原因になります。特にブリッジの支えとして利用することはなるべく避けるようご説明をしております。
インプラント治療に抵抗があっても親知らずを移植することでブリッジを回避できる場合もあります。まずは一度ご相談ください。