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少し時間が空いてしまいましたが今回は根の神経の治療(根管治療)で必要な『ラバーダム防湿』について書きたいと思います。
現在私が受講している講習会ではとにかく徹底してラバーダム防湿を。と言う事を言われます。
https://www.youtube.com/watch?v=5qVjehMwBcY
神経の治療を行う分野を『歯内療法』といいます。しかし神経の治療を行わないで済むように治療をすることも歯内療法の一部です。歯内療法は以下のような分類になります
1 歯髄温存療法(歯の神経を残す治療)
深いむし歯を治療していると神経が露出してしまう事がありますが、もし今まで痛みの経験がなく、冷たいものや熱いものでしみることがあっても一瞬でおさまる場合、高い確率で神経を残すことができるかもしれません。
2 根管治療(歯の神経の治療)
歯の内部(根管内)に細菌が感染した場合は根管内を洗浄し薬を詰めることにより歯の保存ができます。
3 外科的歯内療法(通常の根管治療では回復の難しい際の外科的治療)
上記のいずれの方法によっても症状が改善しない場合、外科的なアプローチにより根の先から特殊なセメントでふさぎ、根管への細菌の遮断を計る事により歯を残すことができます。
前回、無菌的環境づくりの重要性について少し触れましたが、それはどういうことでしょうか?
The effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats.
Kakehashi S, Stanley HR, Fitzgerald R JOral Surg Oral Med Oral Pathol
この論文は今から半世紀以上前の1965年に日本人によって発表された論文です。論文の内容は神経が過酷な環境に置かれていてもそこに細菌の感染がなければ、神経が生き続けることができることを証明しています。このことは根の病気のある歯は細菌感染があるため、その感染源を断ち切らなければならないことを示しています。細菌を出来る限り少なくする事が非常に重要なのです!!
ラバーダム防湿とは…
治療する歯に薄いゴム製のシートを覆いかぶせて口腔内の唾液や細菌による治療部位への感染を防止し、無菌的な環境をつくるためには必要不可欠な道具です。
ラバーダム防湿を行わないで行う根管治療は細菌感染の可能性が高まり、再治療の原因ともなります。
もちろん、むし歯を削って神経に近づきそうな時も必ずラバーダム防湿を行っています。
何度も繰り返しになりますが、ラバーダム防湿を行う事で、仮にむし歯を削る途中で神経が見えてしまっても、神経を保存できる歯が本当に増えるのです!!!
根管治療でラバーダム防湿を行うことは欧米では必須の処置となりますが、日本で実施している医院は未だ全国でも数%しかないと言われています。
当院ではラバーダム防湿をしっかり行い、出来る限り神経の残す治療を心がけおります。お困りのことがありましたら当院へご相談下さい。