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治療実績100症例以上
※2014.05/01~2023.08/31の累計症例数
難治性根尖性歯周炎治療(外科的歯内療法)
「抜歯」「症状の再発」
を可能な限り防ぎます。
根管治療をやり直しても再発する、根尖性歯周炎が悪化してしまったという場合でも、外科的治療で抜歯や再発を回避できる可能性があります。
根尖性歯周炎とは
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)とは、歯の神経の管の中で細菌が繁殖してしまうことで起きる炎症性疾患です。炎症によって歯の根っこに膿がたまり、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けて破壊されるため、激しい痛みが生じて歯茎や顎が腫れる場合もあります。
根尖性歯周炎の主な症状
- 歯に違和感がある
- 歯と歯茎が痛い、
または激しく痛い - 歯茎が腫れる
- 歯茎に“膿のできもの”
ができる
“難治性”根尖性歯周炎とは
難治性根尖性歯周炎とは、通常の根管治療をおこなっても再発を繰り返す、または症状が悪化して治療が困難になり外科的な治療が必要な状態を指します。外科的治療を取り扱っていないクリニックでは「抜歯」を提案される場合もありますが、歯の状態によっては適切な外科的治療をおこなうことで抜歯を回避できます。
こんな状態では
ありませんか?
- 根管治療をやり直しても
再発する - 症状が悪化して
「抜歯」を提案された
難治性根尖周囲炎の原因
主な原因
- 根っこの先の管が複雑で
菌を取り除ききれない - 歯の根が割れている
- 不衛生な処置を繰り返すうち
に病状が悪化してしまった - 歯の根の先端に根管治療用の
器具などが破折して入り込み
治療が困難になっている
治療法解説
術式1: 歯根端切除術
歯根端切除術とは?
歯根端切除術とは、歯の根の先端を切る術式です。根尖部を3mm程度除去することで、細菌の数を著しく低下させ、治癒に導きます。根管は非常に細くいくつもの管に分かれているため、通常の根管治療では発見できない場合があります。歯根端(3mmが目安)には、その見えない管が集中していると言われています。
複雑な歯根端の例
難治性の症例に対して歯根端切除術をおこなうことで、これまでいくつもの症例で抜歯や再発を防ぐことに成功しています。
歯根端切除術の流れ
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STEP 01
歯茎を切開
しっかりと麻酔をして歯茎を切開し、骨の状態を確認します。
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STEP 02
病変を除去
まずは根っこの感染した組織や膿を取り除きます。
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STEP 03
歯根の先端を切除
先端3mm程度を切除します。歯根が枝分かれしている場合はすべての歯根端を切除します。
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STEP 04
MTAセメントで封鎖・縫合
歯の先端があった箇所をMTAセメントで封鎖して縫合し、歯槽骨(歯を支えている骨)の回復を待ちます。歯槽骨は数か月で治癒します。
治療法解説
術式2: 意図的再植術
意図的再植術とは?
意図的再植術とは、歯を一度抜いて取り出し、感染源を除去して埋め直すという治療です。この術式は、器具が届かず歯根端切除がおこなえない一番奥の臼歯に対しておこなう術式です。
意図的再植術の流れ
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STEP 01
麻酔と抜歯
まずはしっかりと麻酔をします。麻酔が効いたら歯を抜きます。
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STEP 02
歯根端切除
歯根の先端を3mm切除します。抜歯後スピーディーに作業をすすめることで、再植時の成功率を高めます。
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STEP 03
MTAセメントを詰める
処置した歯牙を再植する前に、空洞になった根管内にMTAセメントを詰めて歯根端切除によって生じる隙間を埋めます。
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STEP 04
歯牙の再植
空洞に残った膿をできる限り取り除いたうえで歯牙を再植します。(膿は完全に取り除かなくても問題ありません。)
膿の袋をとる治療はないの?
難治性根尖性歯周炎の古い処置方法として「歯茎に穴をあけて膿や嚢胞(膿の袋)だけ取る」というものもあります。
しかしながら、それでは一時的に症状が治まるだけで、根本的な治療にはなりません。膿の原因は根管内にあり、それを処置しなければまた膿の袋ができてしまうからです。
ですから当院では、「単に膿の袋を取る」だけの治療はおこなっていません。
切除した先端部分は空洞になったまま?
「歯根端を切除して戻すということは、切除した歯根先端の分だけ空洞になってしまうの?なにか詰めたりしなくていいの?」と不思議に思うかもしれませんね。実はこの空洞、何も詰めなくても実際には処置によって生じた血液で満たされます。そして時間の経過とともにその血液は体内に吸収され、歯槽骨が再生することにより空洞は埋まってしまうのです。
治療開始までの流れ
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初診
検査・診断
STEP 01適応検査
まずは丁寧な検査・視診のうえ、外科的治療で治療可能かどうかを見極めます。
STEP 02説明・処置方法のご提案
状態にあった治療方法をご提案いたします。
STEP 03ご契約・治療開始
費用や治療計画にご納得いただけましたらご契約いただき治療開始です。
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来院2回目
治療スタート
難治性根尖性歯周炎
治療の費用
処置方法については基本的には歯根端切除術となります。症状が出ている歯が7番(第二大臼歯、奥歯のひとつ手前の歯)の場合のみ意図的再植術となります。
治療費用
難治性根尖性歯周炎治療の費用は以下の①②の合計です。術式による料金の違いはありません。(費用はすべて税込)
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01初診料:4,000円程度セカンドオピニオン(他院治療中)の場合は自費11,000円となります。
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02難治性根尖性歯周炎治療:前歯
132,000円小臼歯
154,000円大臼歯
187,000円
なぜすべての歯根端を切除するの?
歯の根っこは何本かに枝分かれしています。歯根端切除術をおこなう際は、原則としてそのすべての歯根端を切除します。というのも、難治性根尖性歯周炎において原因となっている歯根端を特定することは不可能であるためです。それに歯根端同士は根管を通じてつながっているため、一見症状がない歯根端に見えても実際には菌に汚染されていることも考えられます。それゆえ予防的観点からもすべての歯根端を切除することが望ましいといえます。ただし、位置的に歯茎側からアプローチが不可能な歯根端は残したままとすることがあります。